映画「あん」をみる

永瀬正敏、二重あごになってる。

スタイリッシュなイメージからどら焼きやのおじさんに。

窓から見える桜、散りかけも切ない。

雨が降って、葉がでた桜。

桜の葉越しの木漏れ日をふたりで見上げる

 

畑からきてくれた豆をおもてなしする希林さん

木の鍋蓋にほおを寄せて豆の声をきく

 

できあがったどら焼き食べる

さくっ

と音がする

 

永瀬正敏はできあがったどら焼きを先に希林さんに

渡すんだけど、希林さんは永瀬正敏が食べるまで

待ってから一口食べる

 

ほんとは甘いものが好きじゃなくて、どら焼き一つ

全部食べることはない、という永瀬正敏

ぱくぱく、と あっというまに一つたいらげる

 

いまやりながら思ったけど

2次創作すごいなあ、と3か月2次創作漬けで

みんななんてすごいんだろう、と思ったけど

 

こうやって映画を見ながらそれを文字に起こしていくの

いいんだな

 

やさしいけど少しぽっちゃりして地味なみつあみの女の子

大事にしている小鳥を邪険にする母親に何も言えない

細身でおしゃれだけど小鳥の命を「何とかしろ」ということに抵抗のない母親

 

希林さんが「らい」だと告げにくる浅田美代子

顎をしゃくって上から見てくる

外は暗い

浅田美代子の背景は真っ暗

目が半円

タレ目の浅田美代子がずいぶん邪悪に見える

消毒液を手にすりつけながら

自分に責任がないように言ってくる

 

※この「自分に責任が来ないような」ものの言い方、細かく学びたいな

 

未明、薄暗い店内であんを炊こうとする希林さん

暗いのがきらいでブラインドをあけたらお客が来てしまった

 

小さな店だけど、窓から桜や鳥を見上げることができる

 

なぜだかお客さんが来ない日、黙って招き猫を置く希林さん

春に始まったこの映画、「冷えてきた」と、希林さんも鼻を紙でふいてる

このへんで、と永瀬正敏

希林さんはかっぽうぎをかばんにしまって、少し微笑みながらおじぎして出ていく

 

樹の上の鳥?に向かって手を振る

 

欠けた月に雲がかかる

 

永瀬正敏がひとりであんを炊く

 

希林さんが編んだ毛糸のクッションを

ベンチに置く

 

小豆のことばに耳を傾ける

小豆がどんな雨や風にあってきたのか

この世にあるものはすべて言葉をもっている

日差しや風に対してさえ耳を澄ますことができる

昨夜柊越しにやってきた風が店長さんに声をかけた方がいいと言っているようだった

 

こちらに非がなくても

知恵が必要

自分の道を歩め

あなたらしいどら焼きが作れる

あなたにはきっとそれができる

 

高校生の女の子が

飼えなくなったカナリアをなんとか飼ってもらおうと

希林さんの住んでいる場所を訪ねる

弱いものが、守らなければならないものが

人を結びつけてくれる

あなたにはきっとそれができる

 

店長さん、お世話になりました

楽しかったです

 

店長さん、あたしは大丈夫よ

 

店長さん、おいしい時は、笑うんだよ

たのしかった、わよう

 

オーナーがお好み焼きもやれとチャラい甥を連れてやってくる

 

チャラい? …帽子かぶって巻き毛でひょろっとして黒いコートでガムかみながら

 

土砂降りの雨がふる

電車が走る

 

やりきれなくて園の前でうなだれて座る永瀬正敏に、女子高生が会いに来る

 

行こう、って中に入ると

 

市原悦子が 腫れたまぶたで

ゆっくり立ち上がる

 

テープレコーダーの遺言

 

園の森の緑

ざわざわと風に揺れる木立

 

永瀬正敏の悲しい眼

垣根の外に出られないと覚悟したときのあたしの眼

 

もしあの時のあたしの子どもがいたら

永瀬正敏ぐらいになっていた

 

あたしたちは生きるために生まれてきた

だとすれば

あたしたちは、あたしたちには

何かになれなくても、生きる意味があるのよ

 

さいごはまた、満開のソメイヨシノ